Thinkpad E14 Gen 6を買ったので、Fedora 42をセットアップした

目次

TL;DR

  • Thinkpad E14を買った
  • Fedora 42をインストールし、目立ったトラブルもなく、快適に使えている

背景など

学生時代に調達したMacBook Proを使い続けていたが、 スペック的に貧弱で、ブラウザフリーズなど発生しがちでした。

端末候補は以下の観点からほぼThinkpad一択で、価格.com限定モデルをカスタマイズしたものを注文しました。

  • US配列を選択可能である
  • Linuxフレンドリーである
  • 入力端子がそれなりにある
  • 15万は超えたくない

価格.comのリンクに記載されている部分ではありますが、基本スペックは次の通りです。

  • CPU: AMD Ryzen 7 7735HS
  • RAM: 32GB
  • グラフィック: AMD Radeon 680M
  • ストレージ: 1TB

CPUに関して、MacBook Proのそれと比較すると、ベンチマークを見る限り雲泥の差です。

また、アップグレードしたものは次の通りです。

  • ディスプレイ: 2.2K液晶に変更した
  • 指紋センサーを追加した
  • キーボード: 英語配列に変更した
    • バックライト有無によってキーボードの質感が変わると聞いていたが、バックライトなしを選択した
    • バックライトありが良かったかもしれない
  • バッテリー: 57Whに変更した

Thinkpad E14の本体

📷️ ギャラリー(主にMacBook Pro 2019との比較)

色の問題もありそうだが、指紋が目立ちやすい印象です。横から見ると倍くらいの厚みがあり、実際重量もMacBook Proより100g程度重いです。(公称値は1.44kg~となっている)

上から見た図

横から見た図

開いた状態の図

下準備

  • Windows上で実施した作業
    • MicrosoftアカウントにWindowsライセンスを紐付ける
    • Bit Lockerによる暗号化を無効化する
    • Fedora Media WriterでブータブルUSBを作成する
  • セキュアブートを無効化する

Fedoraインストール

OSは宗教的な理由でFedora Workstationを選択します。

KDEがエディションに昇格したタイミングではありましたが、メインストリームはまだGnomeだろうと思ったのでWorkstation(Gnome)を選択しました。

また、筆者はファイルシステムに弱いので、デュアルブートな環境ではなくLinuxのみの環境にします。 インストール時点で気をつけるポイントはないですが、日本語で環境設定を進めるとホームディレクトリ直下に日本語でディレクトリが作成されてしまうため、すべて英語で進めます。(後で直せますが面倒なので)

ソフトウェアのセットアップ

キーボード周り

後続の作業に間違いなく影響するので、最初にやります。

ThinkpadのBIOS設定

ThinkpadのBIOS設定でFnとCtrlは入れ替えています。あと、Fn as Primaryみたいな(Fnキーがマルチメディアキーとならないようにする)やつも設定します。

キーリマップ

k0kubunさんのxremapを使い始めました。

sudo dnf copr enable blakegardner/xremap
sudo dnf install xremap-gnome

複雑な設定は必要ないので、下記だけ設定しています。

  • CapsLockCtrlとして使う
  • Ctrl+[はEscにマップする
  • Alt-[Alt-]で戻る、進む

タッチパッド・ポインティングデバイス周り

何も設定せずにすべて問題なく動きます。ThinkpadとFedoraの相性がいいこともありそうです。

Thinkpadの乳首に慣れようと思うので、Gnomeの設定からタッチパッドは無効にしました。

IME周り

IMフレームワークにこだわりはないですが、CLIやデスクトップアプリでVimキーバインドを多用するので、Normalモードへ戻る際にIMEを無効化できると良いです。(「っっっっj」避け)

私は上記のようなケースをNeovimの設定でfcitx5-remoteコマンドを呼び出して解決しているため、例によってfcitx5に移行しておきます。このタイミングでIMEもなんとなくmozcに移行します。

下記手順に従えば、困ることなくインストールできます。

sudo dnf fcitx5 fcitx5-mozc

さらにkimpanel for Gnome-Shellもインストールします。

最後にIMEが自動起動するように設定し、デフォルトIMをfcitx5に変更する、はずだったのですが、自動起動設定だけしたら動くようになりました。

mkdir -p ~/.config/autostart
ln -s /usr/share/applications/org.fcitx.Fcitx5.desktop ~/.config/autostart/

起動できたら、Fcitxの設定でUSとMozcを有効にしておきます。

この時点で、問題なく変換できる状態になりました。

IMEの動作確認で「日光東照宮」の変換候補が表示されている

ちなみに、Fedora 42はデフォルトでibus-anthyが使えます。特別な事情がない限りデフォルトのままキーボード設定を追加すれば日本語が打てるようになるはずです。

開発環境周り

基本はdotfilesを持ってくるだけです。

この辺はやるだけなので詳細は割愛します。 なんとなく特記したいものは下記にまとめておきます。

  • Cursor
    • AI支援なエディタとしてCursorを使いだしていたところだった
    • がしかし、Linux向けに提供されているAppImageとランタイムバージョン管理に使っているmiseとの相性が悪く、AppImageから起動すると、miseが有効にならない
    • ワークアラウンドとしては--appimage-extractで展開後、展開されたフォルダ内のAppRunから起動すると解決する
    • (これを機にVSCodeの拡張機能ベースのAI支援に切り替えてもいいかなぁ、など)
  • Bitwarden SSH Agentを導入してみた
    • Credentialを管理できるのは良い
    • gitが毎回unknown client扱いになってしまい、pushのたびに認可しないといけなくてうざい
    • Bitwardenがお漏らししたら本当に終わりだなぁ、とはなる

Linuxデスクトップの所感

実は数年前にもLinuxデスクトップへの以降を試していた時期がありました。 当時はWaylandがメインストリームになる過渡期という感じで、どっちが良いだの悪いだの、あるアプリは一方でしか動かずなど、「しんどい」という小並感でした。

それが今ではほとんどのアプリがWaylandで動作します。また、最悪動かないにしてもXwaylandのような互換レイヤも整っています。このおかげか、今のところ対応しているディスプレイサーバーの違いによって不自由するケースには遭遇していません。

まぁそもそもmacOSやWindowsでやっていたことといえばせいぜいウェブ開発くらいでしたし、それ以外のケースにおいてもブラウザさえあればなんとかなることが多いです。

とはいえ他のOSと比較して気になる部分がないわけではありません。たとえばmacOSのUI・UX体験(レンダリングとか、トラックパッドにおける操作感とか)はやはり素晴らしかったと感じています。 Linux(というかGnome)においても「〇〇使えばいい感じだよ!」みたいなのはありそうですが、基本このあたりで頑張りたくないので、デフォルトを貫いています。Gnomeを使っているのも、面倒なバグを踏みたくないからという理由が大きいです。

また、オフィシャルの対応が期待できないこともウィークポイントだと思います。それこそ最近流行りのAI文脈だとClaude DesktopやChatGPT DesktopはLinux向けにパッケージを提供していません。(Unofficialはありますが、嫌でしょ普通に) 対応していても、なんか汚い…みたいなケースもままあり、な感じがします。

おわりに

MacBook Proは5-6年くらい使ったので、今回もそのくらい使いたい所存です。